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抗酸化力が別格!「スルフォラファン」は何から摂取するのが正解?

アンチエイジングや健康管理のために重要なカギを握るのが、「抗酸化成分」
世の中に抗酸化成分は数多くありますが、その中で特別な存在として注目されているのが、「スルフォラファン」です。

その理由は、体内の活性酸素除去に関わる“抗酸化酵素”を生成・活性化することで抗酸化の“持続力”を発揮する点にあり。
一度摂取すれば、抗酸化作用や解毒作用が3日以上持続するというデータ(※1)もあります。

それでは、この類まれなる抗酸化力を持つスルフォラファンを、どのように摂取すればいいのでしょうか?
名前だけ聞くと専門的で難しい印象を抱くかもしれませんが、実は身近なスーパーマーケットに行けば、スルフォラファンが豊富な食材を手軽に購入することができるのです。

そこで今回は、スーパーの買い物シーンを想定しながら、食材選びのポイントや、食べ方のコツについてご案内していきたいと思います。

※1 Gao, Xiangqun, et al. (2001) Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 98(26), 15221–15226.




スルフォラファンはアブラナ科の野菜に多く含まれる。注目すべきは「ブロッコリー」

スルフォラファンは、野菜や果物といった植物に含まれるファイトケミカルの一種。

ファイトケミカルは、植物が紫外線や害虫などから身を守るための武器として備えた色素、アク、渋味、苦味などの成分で、人の体に取り込まれても防御機能を発揮します。
炭水化物、たんぱく質、脂質の3大栄養素やビタミン、ミネラル、食物繊維に続く「第7の栄養素」として注目されています。

スルフォラファンは主にアブラナ科の野菜に含まれていて、具体的にはブロッコリー、キャベツ、大根、カリフラワー、菜の花などが該当します。

はじめにスルフォラファンの含有量が多い野菜として覚えておきたいのが、「ブロッコリー」です。

ブロッコリーは、“機能性成分に満ちた野菜の王様”と呼ばれるほど栄養価が高く、日本では2026年度から指定野菜(消費量が多く、国民生活上の重要性が高い品目)に加わることからも、価格が安定して買いやすくなることが予想されています。

ブロッコリー100gあたりのスルフォラファン含有量は、品種にもよりますが、10〜20mgほどです。
ブロッコリーの中ではスルフォラファングルコシノレート(SGS)として存在し、これがスルフォラファンに変換されます。

実は、この成分を効果的に摂るにはコツがあるのです。
3つご紹介するので、自分にあった方法を試してみてくださいね。


① 生で食べる

日本では一般的ではありませんが、実はブロッコリーは生食が可能な野菜です。海外では生のままサラダなどにして食べることも多いようです。花蕾を刻んだり、茎の硬い部分を剥いて薄く切ったりすることで、生でも食べやすくなります。
SGSをスルフォラファンに変える酵素であるミロシナーゼは加熱に弱く、約60℃で失活してしまいます。このミロシナーゼがなくなるとスルフォラファンの働きが低下するため、スルフォラファンの摂取を考えると、非加熱調理がオススメ。電子レンジ調理では62%減ってしまうというデータもあります。

② よく噛んで食べる

ブロッコリーを細かく切り刻んだり、すり潰したりすることで、SGSとミロシナーゼの反応が進んでスルフォラファンに変化します。つまりよく噛んで食べることを意識するだけで、スルフォラファンの働きを高めることができるのです。

③ 大根おろし、わさび、マスタードと合わせる

ブロッコリーは生で食べるのがいい!とはいえ、やはり抵抗がある方も多いでしょう。
加熱したブロッコリーでも、ミロシナーゼを含む他の食材と合わせて食べることで工夫ができます。ミロシナーゼは大根、わさび、マスタードなどアブラナ科の野菜に含まれていて、これをブロッコリーと合わせることでSGSからの変換を促し、スルフォラファンの生成量を増加させることができます。(合わせる食材は加熱処理をしていないものが有効です)


さらにオススメなのが、「ブロッコリースプラウト」

実はブロッコリーよりもスルフォラファンの含有量が高いことで注目されている食材があります。

それは、ブロッコリーの新芽である「ブロッコリースプラウト」
その含有量はブロッコリーの約2倍〜、多いものでは20倍以上にも!

また、生で食べやすいという利点もありますから、スルフォラファンを摂取しやすい食材として必ず覚えておくべき野菜と言えます。

ただ、ブロッコリースプラウトに含まれるスルフォラファン量は、品種や栽培方法によって差があります。
スルフォラファン量がパッケージに表示された商品もあるので、選ぶ際の目安としても良いでしょう。

ブロッコリースプラウトの食べ方のコツはこちらの記事で詳しく紹介しています。


ちなみに最近ではスルフォラファンのサプリメントも多く販売されています。
サプリは食事では十分に摂取できない有効成分を補う点において有効であり、機能性表示食品として表示のあるサプリは基本的な安全事項はクリアしています。

しかし、サプリメントよりも生のブロッコリースプラウトから摂取した方がスルフォラファンの吸収率が約5倍も高いという研究結果(※2)もあるので、スルフォラファンを体内に確実に取り込むなら、やはりブロッコリースプラウトが最適だと考えることができるでしょう。

※2 Clarke et al. (2011) J. Agric. Food Chem, 59, 20, 10955–10963


食事において最も重要なのは、栄養バランス

これまでご説明してきたとおり、スルフォラファンを摂取するためにスーパーマーケットで狙うべきは、野菜コーナーの“ブロッコリー”と“ブロッコリースプラウト”です。

価格としてはいずれも100〜200円程度で購入が可能です。
日頃から両者を選ぶ意識をしていけば、スルフォラファン摂取のために特別なお金は必要ありません。

ただし気を付けたいのは、“それだけを食べていれば良い”という偏った解釈です。

スルフォラファンのみならず、健康効果を持つ食品が注目されると、そればかりを徹底的に食べようとするケースが少なくありません。
この“ばかり食べ”は、他の必要な栄養素をおろそかにしてしまい、また食べ過ぎによるリスクも生じることが専門家から指摘されていますから、他の健康食材にも目を向けながら、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。



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