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スルフォラファンは抗酸化と抗糖化を叶える二刀流

体の“コゲ”と言われる老化現象と言えば、「糖化」

AGEs(Advanced Glycation End Products:終末糖化産物)という物質が作られて体内に溜まっていくことで、肌のたるみやシワ、がんや動脈硬化、骨粗しょう症などを引き起こすといわれています。

糖化は、酸化とともに老化やさまざまな病気の引き金となる重要なファクターであるものの、具体的な対策として何をすべきかについては、広く知られていません。

前回の記事では、AGEsを体内になるべく溜めないためのポイントやコツをお伝えしました。そこでは、普段のちょっとした調理方法や食べ方の工夫によって、確かな効果が期待できることがお分かりいただけたと思います。

↓前回の記事はこちら


今回は抗糖化についてもう少し深く掘り下げ、食品に含まれる健康成分に注目した糖化対策を紹介します。

結論から先に申し上げると、抗糖化を考える上で理想なのが、“抗酸化”と両立ができること。

つまり、優れた抗酸化力を持ちながら、抗糖化についても効果があれば、老化や病気の予防を考える上で、明るい兆しが見えてくるということになります。

その成分として最近注目が集まっているのが、「スルフォラファン」なのです。




スルフォラファンは抗酸化だけではなかった

スルフォラファンは、植物に含まれる天然の化学成分である「ファイトケミカル」の一種です。

ファイトケミカルは炭水化物、たんぱく質、脂質の3大栄養素やビタミン、ミネラル、食物繊維に続く「第7の栄養素」として注目される成分。
私たちの体の中に取り込まれると、健康・美容に関するさまざまな効果を発揮することがわかっています。

スルフォラファンはアブラナ科の野菜に含まれていて、具体的にはブロッコリー、キャベツ、大根、カリフラワー、菜の花などが該当します。
抗酸化作用や解毒作用が期待できる成分として、耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか?

また最近では、スルフォラファンの前駆体であるスルフォラファングルコシノレート(SGS)が配合されたサプリメントも販売されており、健康成分として身近な存在になりつつあります。


AGEsを減らす働きがある

スルフォラファンについては、これまで抗酸化や解毒作用などにおいてさまざまな論文が報告されてきましたが、近年はAGEsを減らす働きがあることも報告されています。

2015年に発表された研究では、成人25名がスルフォラファンを高濃度に含むブロッコリースプラウトを2カ月間食べ、前後の体重やBMI、血中AGEs量などを比較しました。

その結果、体重、BMI、腹囲が減少し、血中AGEs量が明らかに低下していることが確認されました。
具体的には、25人のうち22人の血中AGEs量が下がり、その低下率は平均で20%となりました。

他にも、HbA1c、拡張期血圧、総コレステロール、HDL-コレステロール、尿素窒素も有意に低下し、さらに、体調の改善や減量の自覚があり、食事に対する意識向上も認められました。

【概要】
・被験者:健常な成人男女25名(男性11名、女性14名、平均年齢49.5歳)
・摂取方法:2カ月間、高濃度スルフォラファンのブロッコリースプラウトを1日20g摂食
・評価方法:体重、BMI、血中AGEs量などを測定し、摂食期間の前後で比較
・主な結果:血中AGEs値が有意に減少した(平均20%減少)

出典:Yamagishi, et al., Diabetes Frontier Online 2, e1-011, 2015


スルフォラファンには、抗酸化に加えて抗糖化作用も期待できる

上記の研究により、スルフォラファンを継続的に摂取することで、病気や老化の元凶となるAGEsを減らすことができるとわかりました。
これは、スルフォラファンが抗糖化作用を持つということ。

抗酸化に加えて抗糖化の二刀流で、病気や老化の予防に力強く寄与することが期待されています。

次回は、スルフォラファンを豊富に含む食材を活用しながら、AGEsを溜めない調理法と組み合わせて、おいしいレシピをご案内していくことにしましょう!



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