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糖化対策で心がけることは?食材の選び方や調理法がカギだった!

老化や病気を考える上で重要なキーワードの一つになっているのが、「糖化」

糖化は1912年にフランスの化学者であるメイラード博士によって発見され、“メイラード反応”とも呼ばれています。

糖化とは、熱によって糖とたんぱく質が結びつくこと
身近なところでいうと、焼肉や唐揚げ、ホットケーキなど、糖とたんぱく質を一緒に加熱したときに“焦げ目”ができるのが糖化反応です。

この現象は私たちの体内でも起こっていて、体の“コゲ”と表現されます。

糖化によって作られるAGEs(Advanced Glycation End Products:終末糖化産物)という物質が体内に溜まっていくことで、肌のたるみやシワ、がん、動脈硬化、骨粗しょう症などを引き起こすことがわかっているのです。

ヒトは生命活動の中で糖をエネルギー源として使っていますから、このAGEsの蓄積を完全に防ぐことはできません。
しかし、日々の食事においてちょっとした工夫や対策を施すことで、糖化スピードをゆっくりにすることが可能です。

そこで今回は、食生活における糖化対策のポイントを、食事シーンと料理シーンの両方を考えてご紹介していきたいと思います。




糖化対策のポイントは3つ

体のコゲとなるAGEsが溜まる要因は、主に以下の2つです。

1つ目は、血液中にブドウ糖が過剰になること
皮膚、脳、臓器、血管、骨、筋肉など体を構成するたんぱく質が血液中の余分な糖とくっつくことで、AGEsが作られてしまうのです。
この状況は、血糖値の急上昇や高血糖の状態が長く続いてしまうことにもつながります。

2つ目は、食品に含まれるAGEsを摂取すること
最初に紹介した焼肉や唐揚げ、ホットケーキなど、多くの食品にAGEsが含まれていて、それを食べることで体にAGEsが取り込まれます。

そこで、
① 何を食べるか?(メニューを選ぶ工夫)
② どう準備するか?(調理の工夫)
③ どのように食べるか?(食べ方の工夫)
においての対策が重要になります。

ここからは、この3つについて注意すべきポイントやコツを整理していきましょう。


① メニューを選ぶ工夫:食欲をそそる揚げ物・焦げ目は要注意、注目すべきはアブラナ科野菜

実は、食品に含まれるAGEsの約7パーセントが体内に蓄積されてしまうことが分かっています。
つまり、何を食べるかがとても重要であるということ。

おいしそうに見える、こんがりとした焼き目や焦げ目がついたメニューは要注意です。
具体的には、居酒屋での揚げ物、ファミレスでの肉料理、中華料理店での炒め物や揚げ物など。
以下にメニュー例を挙げてみました。

<AGEsが多く含まれるメニュー例>
ステーキ、唐揚げ、ハンバーグ、とんかつ、焼き鳥、焼き魚、お好み焼き、チキンナゲット、ピザ、カリカリベーコン、フランクフルト、ホットケーキ、プリンのカラメルソース、ポテトチップス、フライドポテト、クッキー、キャラメル、コーラ、バター など

そして、食品中のAGEsだけでなく、体内で作られるAGEsを減らす意識も大切です。
最も効果的なのは、炭水化物を中心とした献立や、糖質過剰な食生活を改善していくことです。

外食ではごはん大盛りが当たり前、デザートは別腹、お酒を飲むとラーメンが食べたくなるという人は要注意。
また、ラーメンとチャーハン、パスタとパンなど炭水化物同士の組み合わせも歓迎できません。
つまり、“糖質控えめ”“腹八分目”を意識することが重要です。

さらに、AGEsの蓄積を抑えてくれる食品を摂ることも効果的です。
高糖化力を発揮することで注目されているのが、「スルフォラファン」という成分。

抗酸化にもつながるファイトケミカルの一種であり、ブロッコリースプラウトやブロッコリーなどのアブラナ科野菜に豊富に含まれます。
料理を作る際にこれらの野菜を優先的に取り入れていくことが、医師や栄養士などの専門家から推奨されています。


② 調理の工夫:調理方法でAGEsの量は大きく変わる

私たちが食品から取り込んでしまうAGEsは、調理の工夫で低減させることができます。

高温で長時間加熱する調理ほどAGEsは増えてしまうので、先述のとおり香ばしい揚げ物や焦げ目のついた焼き物は要チェック。
AGEsを過剰に発生させないための調理の優先順位は以下のとおりです。

生 > 蒸す・ゆでる > 煮る > 炒める > じっくり焼く > 揚げる

その他、電子レンジでの長時間加熱(10分以上)、二度揚げ、オーブンや圧力鍋を使った調理も、糖化対策の観点では避けるべき調理法と言われています。


③ 食べ方の工夫:食べ方や食べ順も重要

食後血糖値の急上昇を防ぎ、血液中のブドウ糖が過剰にならないようにするためには、食べ方を工夫することも有効です。

(1)よく噛んで、ゆっくり食べる
早食いは血糖値の急上昇の引き金に。
同じ量でもゆっくり食べた方が血糖値は上がりにくいので、少しずつよく噛んで料理を味わうようにしましょう。
また、よく噛むことは満腹感につながり、食べ過ぎを抑えることもできます。

(2)野菜ファーストで食べる
野菜、海藻類、きのこ類など食物繊維が豊富な食材を先に食べることで、糖質の吸収を緩やかにすることができます。
ごはんやパンなどの炭水化物ではなく、まずは野菜料理から食べ始めるようにしましょう。

(3)甘味のない飲み物を選ぶ
食事と一緒に飲むドリンクにも注意が必要です。
ジュース類や砂糖入りのコーヒーを無糖ドリンクに替えていく習慣や、清涼飲料を避けることが有効。
清涼飲料に使われている異性化糖は、なんとブドウ糖の10倍ものスピードでAGEsを作ってしまいます。

(4)食後1時間以内に軽く体を動かす
血糖値は食後1~2時間で最も高くなり、体はAGEsが作られやすい環境に。
この状態を少しでも緩和するために、食後30分程度のウォーキングが推奨されています。


まとめ

さあ、いかがでしたか?
実は、糖化対策のポイントを冷静に並べていくと、難しいことはあまりありません。

野菜を優先に、ゆっくり食べること。
蒸し物やゆで物といった調理が簡単なメニューを選ぶことで、AGEsを溜めない食生活にしていくことが可能なのです。

とはいえ、いきなり全てを実践していくのはハードルが高いと思いますので、できそうなことから少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。



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