糖質の摂りすぎは危険?押さえておきたい「糖化」のキホン
私たちの健康や美容を考える上で二大キーワードになっているのが、「酸化」と「糖化」。
酸化は体の“サビ”と表現され、私たちが生命活動をする上で避けては通れない化学反応です。
「活性酸素」という物質が正常な遺伝子や細胞膜を傷つけてしまうことで、さまざまな病気や老化を引き起こすことが分かっています。
そして今回のメインテーマである「糖化」は、体の“コゲ”と言われる現象。
老化にとって最大の敵と言われるほど、注目せざるを得ない大きなテーマになっているのです。
特に日本人の多くは摂取カロリーの半分以上が糖質ですから、常に糖化のリスクにさらされているといっても過言ではありません。
しかし現状では、糖化について正しい知識を持っている人はまだまだ多くはありません。
そこで、知らないでやみくもに不安になるのではなく、今回をきっかけに“糖化のキホン”についてポイントを押さえて学んでいただきながら、自分の健康状態や対策について考えてみてはいかがでしょうか。
一度立ち止まってこれまでの食生活を確認・見直ししてみることは決して無駄にはならないでしょう。
ここでは身近な事例をご紹介しながら、わかりやすく解説をしていきたいと思います。
糖質とは?過剰摂取は糖化のリスクにつながる
まずは「糖質」がどのようなものなのか?についての確認からはじめていきましょう。
糖質は、炭水化物の一部で、たんぱく質、脂質と並ぶ三大栄養素のひとつ。
体内で消化吸収されてブドウ糖になり、筋肉や脳のエネルギー源として使われます。
特に脳はブドウ糖を唯一のエネルギー源として使うため、非常に重要。
脳だけで1日に120gものブドウ糖を消費するとも言われています。
糖質が不足すると、集中力や思考力が低下したり、疲れやすくなったりするなどの症状が出てしまいます。
しかし、たくさん摂ればいいということではありません。
過剰摂取した糖質は体内で脂肪細胞として蓄積される他、体のさまざまな組織において糖化を引き起こす原因になるのです。
体の糖化には、2つの原因がある
糖化とは、体を構成するたんぱく質が糖と結びつくことで起こる化学反応のこと。
この反応によってAGEs(Advanced Glycation End Products:終末糖化産物)という物質が作られ、体内に蓄積されることで、細胞の炎症を引き起こし、老化につながることがわかっています。
たんぱく質と糖が結びついた状態とは、例えば焼肉やパンが焦げた状態です。
たんぱく質は糖化すると硬くなったり、こわばったりして、たんぱく質本来の機能を発揮できなくなってしまいます。
肌のコラーゲンもたんぱく質ですが、コラーゲンが糖化すると弾力性が失われ、肌がこわばり、シワにつながるのです。
そしてここで知っておくべき事実は、AGEsは体内で分解・排泄されずに蓄積されてしまうということです。
私たちの体にAGEsが蓄積されていくのには、主に2つの要因があります。
1つは、皮膚、脳、臓器、血管、骨、筋肉など体を構成するたんぱく質が血液中の余分な糖とくっつくことでAGEsが作られること。
糖化反応は、血糖値の急激な上昇の繰り返しや慢性的高血糖状態で促進され、糖とたんぱく質との接触時間が長いほど進行してしまいます。
そしてもう1つは、食べ物を摂取する時に体内にAGEsも一緒に取り込んでしまうこと。
先ほども挙げたように、例えば焼肉、パン、揚げ物、焼き菓子など。
これらは高温で加熱調理されることで茶色い焦げ目がつきます。
この焦げは、加熱によって食品中のたんぱく質と糖質が結びついて作られるAGEs。
おいしそうにこんがり焼けた食べ物ほど、AGEsを多く含んでいます。
このような食事が増えることでも、体内にAGEsが蓄積されていくのです
体が糖化するとどうなる?酸化と同様に、さまざまな病気を引き起こす
糖化による細胞の劣化は、肌、骨、血管、臓器を老化させることにつながり、深刻な病気を引き起こしやすくなることが知られています。
これらは全てたんぱく質でできている組織ですから、糖化によって本来発揮すべき機能が失われてしまうことが原因です。
それでは、具体的にどのようなものがあるか整理をしてみましょう。
糖化はさまざまな対策が可能である
最近では予防医療が進み、医療機関において体に負担をかけずに糖化度検査を受けることが可能になっています。
日々のライフスタイルや食習慣が乱れがちな人はチェックして、早期の対策をすることが賢明でしょう。
AGEsを完全に消し去ることは不可能ではあるものの、糖質を控えめにする、AGEsを多く含む食品(焦げのある食品、清涼飲料水の異性化糖など)をなるべく避ける食事を心がけることで、糖化対策につながります。
また、ビタミンやミネラルを十分に摂取した健康状態でいることにより、ホメオスタシス(外的要因に悪影響を受けずに、体の状態を一定に保つ働き)が保たれて、体内でAGEsが作られにくくなることもわかっています。
詳しいAGEs対策については、次回から紹介していくことにしましょう。
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