知らなきゃもったいない!スルフォラファンのベストな摂り方
ブロッコリーやキャベツなどのアブラナ科野菜に含まれ、抗酸化・解毒といったさまざまな健康作用を持つ「スルフォラファン」。
この栄養素を無駄なく摂取するには、どのような食べ方をしたらいいのでしょうか?
皆さんも、もしかしたら「もったいない食べ方」をしてしまっているかもしれません。
この記事では、 “スルフォラファンを効率よく摂取する方法” をご紹介します。
【スルフォラファンとは?】
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
スルフォラファンが作られる仕組み
スルフォラファンは、トマトの「リコピン」、大豆の「イソフラボン」、唐辛子の「カプサイシン」などと同じ、「ファイトケミカル」の一種です。
「ファイトケミカル」とは、
“ファイト=植物”
“ケミカル=化学成分”
という意味で、植物が紫外線や虫など植物にとって有害なものから身を守るために作り出す、色素や香り、辛み、ネバネバなどの成分のことを指します。
スルフォラファンには辛みやツンとした香りがありますが、これは外敵から身を守るためのものなのです。
つまり非常時に必要になるもので、いつも必要なわけではありません。
また、スルフォラファンは揮発(空気中に逃げる)しやすい性質のため、スルフォラファンの状態で保っておくことは難しいのです。
そこでアブラナ科野菜は、スルフォラファンそのものではなく、その前の段階(前駆体)の「スルフォラファングルコシノレート(SGS)」を細胞内に持っています。
そのSGSがスルフォラファンに変化するために必要なのが、「ミロシナーゼ」という酵素です。
ミロシナーゼは、SGSと同じくアブラナ科野菜の細胞内に含まれています。
ただ、細胞内の別の場所にあるので、普段は反応することはありません。
例えば虫に食べられるなど細胞が傷ついた(壊れた)とき、SGSとミロシナーゼは初めて出会うことになります。
そして両者が反応することで、スルフォラファンが作られるのです。
スルフォラファン摂取の2つのポイント
スルフォラファンが作られる仕組みを踏まえて、効率よく摂取するためのポイントをご紹介します。
①よく噛んで食べる
ここまでで書いたように、普段細胞内の別の場所にあるSGSとミロシナーゼは、細胞が壊されることによって反応し、スルフォラファンが作られます。
つまり、よく噛んで細胞をしっかり壊すことがとても大切です。
その他、包丁で細かく刻む、ミキサーで攪拌してスムージーにする、などの方法もおすすめです。
ただ、時間がたつとスルフォラファンが揮発してしまうので、刻んだりスムージーにした後は早めに召し上がってくださいね。
②生で食べる
SGSをスルフォラファンに変化させてくれるミロシナーゼですが、実は熱に弱く、60℃を超えるとその働きを失ってしまいます。
すると、当然ながらミロシナーゼによるスルフォラファンへの変化は起こりません。
ミロシナーゼを働かせるためには、加熱せず、生で食べるのも重要なポイントです。
ただし、加熱してミロシナーゼが働かなくなっても、全くスルフォラファンが作られないわけではありません。
ヒトの腸内細菌が持つ酵素がミロシナーゼと同じような働きをしてくれるので、一部のSGSはスルフォラファンに変わり、体内に吸収されることがわかっています。
とはいえ吸収率は大幅に下がってしまうので、やはりできるだけ生で食べることをおすすめします。
おまけ:サプリメントと野菜、どっちで摂るのがいいの?
スルフォラファンのサプリメントも市販されていますが、野菜から摂るのと比べてどちらがいいのでしょうか?
下のグラフは、アブラナ科野菜の中でも特にスルフォラファン量が多いブロッコリースプラウトと、市販のサプリメントを摂取した場合のスルフォラファン吸収率の違いです。
なんと、サプリメントよりもブロッコリースプラウトで摂取した方が約5倍も吸収率が高いことがわかりました。
その理由は、市販のスルフォラファンサプリメントも植物と同じくSGSを含有していますが、ミロシナーゼは含まれていないからです。
サプリメントから摂取したSGSは、腸内細菌によって一部がスルフォラファンに変換されるのみで、ミロシナーゼを含むブロッコリースプラウトと比べると吸収率が低くなってしまうのです。
もちろんサプリメントには栄養素を手軽に摂取できるメリットがあるので、どうしても野菜を食べるのが難しいときにはサプリメントに頼るのもいいでしょう。
ブロッコリーやブロッコリースプラウトなどの野菜には、サプリメントでは補いきれない食物繊維なども含まれていますので、できれば野菜で摂りたいものです。
今回は、スルフォラファンを効率よく摂取する方法ついてご紹介しました。
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